トップページ > 上総掘りとは?


上総掘りとは?

上総掘りは、古くから、上総(千葉県)に伝わる井戸掘りの技術です。
上総掘りの技術は、孟宗竹(もうそうだけ)と粘土、そして簡単な鉄の道具を使って、地下何百メートルも掘り進み、圧力のかかった層にある地下水を自噴させるというものです。千葉と金沢は、海路を利用して古くから交流があり、その技術が私たちの町にも伝わっています。


1.どこで生まれたのか

この井戸掘り技術は、1817年に千葉県君津市小糸川や小櫃川流域で考案されました。最初は鉄棒で掘っていましたが、改良が行われて今のように竹を使う方法になりました。

2.なぜ上総掘りが開発されたのか

千葉県は、雨が少なく、お百姓さんは水田作りに苦労していました。そこで、竹や簡単な工具で井戸を掘れる技術が開発されました。日本各地には、地下の自然湧水があったこと、材料の孟宗竹があったことなどが幸いして全国的に普及しました。

3.上総掘りの掘り方

井戸を掘るときに最初に行うことは、水利のありそうな場所を探すことです。掘る場所が決まると地上の施設を準備します。上総堀りでは、穴が深くなると工具が届かなくなるので竹ひごを使っています。その竹ひごを巻き取るのがひご車です。

井戸掘りの原理は、穴あけの掘削用具を一定の高さから落下させてその衝撃力により穴を開けるという単純なものです。穴あけの掘削用具を上下に動かす操作は全て人力に依っています。掘削用具を落下させる時には作業員の体重の一部も加えられます。ある程度掘り進んだら、ハネギを利用して掘削を行います。

4.文学作品にも出てくる上総堀りの井戸

「太い孟宗の節を抜いて、深く埋めた中から水が湧き出て、そこいらの稲にみずがかかる仕掛であった。その時分はどんな仕掛か知らぬから、石や棒ちぎれをぎゅうぎゅう井戸の中へ挿し込んで、水が出なくなったのを見届けて、うちへ帰って飯を食っていたら・・・」坊っちゃん 夏目漱石より引用


上総掘りの図
上総掘りの図
【参考文献】

上総掘りの民俗  大島暁雄
井戸と水道の話  堀越正雄


【参考URL】

上総掘りの概要(カズサボリ)
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
土地改良資料館
このページのトップへ
Copyright (C)2012 Furusato-Daidomura. All rights reserved
inserted by FC2 system